たった1年間だったけど、同じ大学へ通った毎日は二人にとってかけがえのない思い出だと思う。

二人でいない未来を想像することができないぐらい私たちは同じ時間を共有した。

なくては生きてはいけない酸素のように。
自然に、私の右側に存在した。

雅紀の隣にいる私、私の隣にいる雅紀。

40日間、5451マイル離れていてもそれは変わらなかった。

ねぇ、雅紀。覚えてますか?

大学へと続く駅からの急な坂道、校舎への石畳を二人で手をつなぎ歩いたあの日を。

待ち合わせした10号館前。

国際電話独特のプツプツと途切れる音に戸惑いながら話したこと。

1週間という時間をかけてお互いの思いを届け合ったエアメールを。

ますますあなたに恋をした、二人で過ごした時間の分だけ。