面接当日 教授室の前。
今年建て替えられた校舎のフロアーは新しい建物独特の匂いがする。

緊張しながら順番を待っていると、カバンの中で携帯が震えた。

”瀬名、今日ゼミの面接だよね。大丈夫だから。自分を信じて頑張れ(^O^)/ ”

雅紀からのメール。がんばるよ! そう心の中でつぶやいた。

緊張しながらドアをノックし、中へと入る。

穏やかな、人をリラックスさせる笑顔の持ち主、
佐倉教授だ。

「そこ座って。それで、卒論のテーマは?」

そう言いながら私の提出した志望動機や卒論テーマが記載された紙を手にしながら、ゆっくりとこちらへと振り返る。


私は少し固くなりながらも自分の気持ちを話した。

「どうしてもそのテーマで卒論が書きたいんです」


1週間後 教授室の前に張り出された合格者の名前。

学籍番号1777 岩堀 瀬名

また一歩夢に近づいた。そんな気がした瞬間だった。