あまり広くはない住宅街の真ん中にある大学の構内は試験の予定表やルーズリーフを手にした学生で何かのお祭りかのように混み合っている。
普段の授業には出てこない生徒も一斉にこの試験期間は登校してくるためだ。
2限目の試験を終え、あわてて教室を出て携帯の電源を入れる。
”新しいメッセージはありません”
今日は雅紀の合格発表の日。すべり止めは予想通り無事に合格していた。
おかしいな、午前中には分かってるはずなのに。
そう思いながら廊下の真ん中に突っ立っていると、後ろからポンと誰かが私の頭を叩いた。
「瀬名ちゃん、どうしたの?ぼーっとして」
「もう! ケン。びっくりするじゃない」
「どうした? 試験できなかった?」
「うーうん。ケンのノートのおかげでばっちり。感謝してます」
「じゃあ約束のAランチ今からどう?」
「OK」私たちは食堂へと向かった。
トレーを手に席を探していると、さやとまさよが手を振っているのが見えた。
「ケンくん、Aランチなんてリッチじゃない? 瀬名はまたオムライスだし」
「ノートのお礼におごってあげたの」
おごってあげたってなんか言い方おかしくないか? とブツブツ言いながら座るケン。
「まあまあ 細かいことは言わない」
そう言ってオムライスを頬張る私を見てまさよが笑っている。
「そういえば今日雅紀君発表じゃなかったっけ?」
「そうなんだけどね、連絡ないんだ」
本当は心配で仕方がなかったが、そんな素振りを見せずに答えた。
「そっか…。まあ郵便が遅れてるだけかもしれないしね。今日帰り会うんでしょ?」
そう言いながら慌ただしく次の教室を確認しながら立ち上がる。
「うん…。まあね」
「とりあえずわかったらメールしてね。一応気になるから」
いつもさりげなくみんなのことを気遣うさや。
「了解。試験がんばってね」
大丈夫だよきっと合格してるって。会った時に驚かそうとしてるだけかもしれないし。
励ましてくれる二人の声もうわの空だった。
普段の授業には出てこない生徒も一斉にこの試験期間は登校してくるためだ。
2限目の試験を終え、あわてて教室を出て携帯の電源を入れる。
”新しいメッセージはありません”
今日は雅紀の合格発表の日。すべり止めは予想通り無事に合格していた。
おかしいな、午前中には分かってるはずなのに。
そう思いながら廊下の真ん中に突っ立っていると、後ろからポンと誰かが私の頭を叩いた。
「瀬名ちゃん、どうしたの?ぼーっとして」
「もう! ケン。びっくりするじゃない」
「どうした? 試験できなかった?」
「うーうん。ケンのノートのおかげでばっちり。感謝してます」
「じゃあ約束のAランチ今からどう?」
「OK」私たちは食堂へと向かった。
トレーを手に席を探していると、さやとまさよが手を振っているのが見えた。
「ケンくん、Aランチなんてリッチじゃない? 瀬名はまたオムライスだし」
「ノートのお礼におごってあげたの」
おごってあげたってなんか言い方おかしくないか? とブツブツ言いながら座るケン。
「まあまあ 細かいことは言わない」
そう言ってオムライスを頬張る私を見てまさよが笑っている。
「そういえば今日雅紀君発表じゃなかったっけ?」
「そうなんだけどね、連絡ないんだ」
本当は心配で仕方がなかったが、そんな素振りを見せずに答えた。
「そっか…。まあ郵便が遅れてるだけかもしれないしね。今日帰り会うんでしょ?」
そう言いながら慌ただしく次の教室を確認しながら立ち上がる。
「うん…。まあね」
「とりあえずわかったらメールしてね。一応気になるから」
いつもさりげなくみんなのことを気遣うさや。
「了解。試験がんばってね」
大丈夫だよきっと合格してるって。会った時に驚かそうとしてるだけかもしれないし。
励ましてくれる二人の声もうわの空だった。
