どこに向かっているのかわからないままただまっすぐ歩き続けていた。
何度も何度も携帯が鳴る。確認するたびに液晶に表示されるのは堀江雅紀の文字。
無視して足を前に進め続ける。
どうしても消えない怒りの感情。
『なんでみんな邪魔するの!!』
叫びだしたい衝動に駆られた。
どうして好きなだけじゃダメなの?
こんなに好きなのに、大好きなのに。
なんで? どうして?
いつの間にか歩く足が止まって道端で一人そこにしゃがみこんで泣いていた。
「瀬名」
聞き慣れた声に視線を上にあげると雅紀がいた。
ぐしゃぐしゃに泣きはらした顔を優しく両手で包んでくれる。
「探したよ」
そんな優しさにも素直になれず子供のように首を横に振るしか出来なかった。
「何で来るの?」
「心配だからに決まってるだろ」
こうして向い合っていると優しい気持ちに包まれてどうしようもない幸せを感じられるのに。
いつもその真後ろには黒い影があって脅かされている気がした。
「帰るよ」
雅紀に手を掴まれて立ち上がって遠くにハザードを点けたまま放置されている車へと向かった。
「俺を信じて」
走り始めた車の中でそう言った雅紀。
「うん」
窓の外に見える華ちゃんが眠る山を見ながら答えた。
何度も何度も携帯が鳴る。確認するたびに液晶に表示されるのは堀江雅紀の文字。
無視して足を前に進め続ける。
どうしても消えない怒りの感情。
『なんでみんな邪魔するの!!』
叫びだしたい衝動に駆られた。
どうして好きなだけじゃダメなの?
こんなに好きなのに、大好きなのに。
なんで? どうして?
いつの間にか歩く足が止まって道端で一人そこにしゃがみこんで泣いていた。
「瀬名」
聞き慣れた声に視線を上にあげると雅紀がいた。
ぐしゃぐしゃに泣きはらした顔を優しく両手で包んでくれる。
「探したよ」
そんな優しさにも素直になれず子供のように首を横に振るしか出来なかった。
「何で来るの?」
「心配だからに決まってるだろ」
こうして向い合っていると優しい気持ちに包まれてどうしようもない幸せを感じられるのに。
いつもその真後ろには黒い影があって脅かされている気がした。
「帰るよ」
雅紀に手を掴まれて立ち上がって遠くにハザードを点けたまま放置されている車へと向かった。
「俺を信じて」
走り始めた車の中でそう言った雅紀。
「うん」
窓の外に見える華ちゃんが眠る山を見ながら答えた。
