日曜日 ぞくぞくと到着する人で混みあう駅のホーム。

「おかえり」

「……ごめんなさい」

「ほら荷物かして、重いでしょ」

のぞみ120号 博多発 東京行き

電話で伝えてあった。

ホームまで迎えに来てくれた雅紀。

ドアが開く前に姿を確認していた。

でも、雅紀を傷つけた罪悪感で私は彼の顔を見ることができなかった。

「瀬名、そんな顔しないで。ちゃんと話したんでしょ」

「うん、電話でじゃなくてね、会って話さないとそうしないといけないって思ったから」

「瀬名の気持ちはわかったから。でもこれからはお互い隠し事はなし。なんでもちゃんと話そう! 瀬名は嘘が下手だし、考えてることなんでも俺にはわかるからさ」

涙で返事の出来ない私に
雅紀は優しくキスをした。

今日が本当に付き合い始めた日にしよう。
そういって私の手をぎゅっと握りしめた。