「話の続きなんだけどさ…。」
「うん?」
「堀江君だっけ、卒業したら結婚するの?」
1軒目でぼやく様に今日雅紀にドタキャンされたことや最近微妙な状況を話したんだ。
「一応そのつもり」
「その為に全部夢諦めたの?」
「そんな訳ないじゃん」
「本当に?」
前を向いたまま問いかけられると、目を見て聞かれるよりも気持ちの核心が揺さぶられて自分の真意の在りかを見失いそうになる。
「どうしてそんなこと聞くの?」
聞き返すしか出来なかった。
「俺ら男にとって夢を追いかけるってのはさ、結局は現実的なことを考えて難しいことだろ」
「普通はそうかもしれないね」
「だから応援してたんだ。授業はさぼるけどやりたい研究には没頭してたし、真面目に取り組んでたから」
「学生時代は本当にお世話になったもんね…。でもこんな私でも夢ばっかり見ていられないって気づいたんだ」
「全然夢なんかじゃなかっただろ? もう目の前だったのに」
「でもね、大学院に進学して卒業したとして希望の仕事に就ける保証はないわけで…。私がお金持ちのお嬢さんなら有りな選択肢だったけどね」
「どういう意味?」
「そういう意味だよ」
私は氷が溶けて薄まった緑の葉が浮かぶカクテルを絶え間なくせり上がってくる自分の気持ちを押し戻すように飲みほした。
「うん?」
「堀江君だっけ、卒業したら結婚するの?」
1軒目でぼやく様に今日雅紀にドタキャンされたことや最近微妙な状況を話したんだ。
「一応そのつもり」
「その為に全部夢諦めたの?」
「そんな訳ないじゃん」
「本当に?」
前を向いたまま問いかけられると、目を見て聞かれるよりも気持ちの核心が揺さぶられて自分の真意の在りかを見失いそうになる。
「どうしてそんなこと聞くの?」
聞き返すしか出来なかった。
「俺ら男にとって夢を追いかけるってのはさ、結局は現実的なことを考えて難しいことだろ」
「普通はそうかもしれないね」
「だから応援してたんだ。授業はさぼるけどやりたい研究には没頭してたし、真面目に取り組んでたから」
「学生時代は本当にお世話になったもんね…。でもこんな私でも夢ばっかり見ていられないって気づいたんだ」
「全然夢なんかじゃなかっただろ? もう目の前だったのに」
「でもね、大学院に進学して卒業したとして希望の仕事に就ける保証はないわけで…。私がお金持ちのお嬢さんなら有りな選択肢だったけどね」
「どういう意味?」
「そういう意味だよ」
私は氷が溶けて薄まった緑の葉が浮かぶカクテルを絶え間なくせり上がってくる自分の気持ちを押し戻すように飲みほした。
