10年越しの恋

「飲むねー」

あっという間に3杯目のグラスを空けるとさすがに驚きを隠せないケン。


「そう史上最悪の1日をこれで厄祓い」


「いやぁ… それ相当意味が違うよ」


「なんだっていいの。もうこれ以上の最悪は私に寄ってくるな!! ってね」


全く酔ってはいなかったが目の前にあるビールが他人に弱音を吐くための免罪符のような気がする。