「手が空いていたら3階の会議室へ来て下さい」
昼休みが終わってすぐ私から声を掛ける間もなく経理部長の森さんから呼び出された。
全視線を浴びながら席を立つと前に座る中島さんと目が合う。
自分は無関係だという態度に怒る気も失せてすっと目をそらした。
階段を重い足取りで登り終えると広がる空間。
毎朝就業前に一人で10分間を過ごす安らぎの場所が今は取り調べ室のように感じられる。
責任の所在の如何にかかわらず怒られるのは自分だと思った。
窓辺で西日を浴びながら佇む森さんは普段とは違いどこか所在なげに見える。
「失礼します」
そんな背中に一言掛けて部屋に入った。
「怖い顔しないで適当に座って下さい」
振り向いたその顔は私を責める表情ではなく、その真逆の恐縮しきったものだった。
昼休みが終わってすぐ私から声を掛ける間もなく経理部長の森さんから呼び出された。
全視線を浴びながら席を立つと前に座る中島さんと目が合う。
自分は無関係だという態度に怒る気も失せてすっと目をそらした。
階段を重い足取りで登り終えると広がる空間。
毎朝就業前に一人で10分間を過ごす安らぎの場所が今は取り調べ室のように感じられる。
責任の所在の如何にかかわらず怒られるのは自分だと思った。
窓辺で西日を浴びながら佇む森さんは普段とは違いどこか所在なげに見える。
「失礼します」
そんな背中に一言掛けて部屋に入った。
「怖い顔しないで適当に座って下さい」
振り向いたその顔は私を責める表情ではなく、その真逆の恐縮しきったものだった。
