家に帰ってすぐに雅紀に電話をする。

欠かすことのできない生活の1部となった行為だった。

変わらない今日の業務を報告してお休みの変わりになった言葉「愛してるよ」という雅紀の声を聞いて安心して眠りについた。


朝夕の行き帰りにはウールのコートが恋しくなる季節の到来。

月曜から金曜日までただ単調に繰り返される毎日。

四季の移ろいに対して生活に変化が無くなったからだろう。

1ヶ月が驚くほど短く感じられ、そして全く実感がないままに過ぎて行く。


毎日が同じようで、いつの間にか金曜日を迎えそして給料日。

その翌日からまた同じ毎日を繰り返した。

今となっては定期的に訪れた試験期間や行事が懐かしく感じられる。

目的もやりがいもなく過ごした半年。

もう今年も12月。25回目の誕生日が近付いている。