「岩堀さんちょっと」
予想通り私に声を掛けてきた。
「はい」
私なりの営業スマイルで返事をした。
「入札に必要な書類作ってもらえないかな」
「中島さん(営業事務の女性)の仕事だと思いますが」
「なんか彼女忙しいみたいなんだよね」
煙草をふかしながら横柄にものを言う金田から視線を中島さんへと移すと素知らぬ顔で目の前の画面から目を離すこともしない。
働き始めてすぐに気付いたこの会社の体質にイライラが募っていた。
それに内心こんないつ潰れてもおかしくない零細企業で少し出来るからと言って偉そうなこのおやじが私は大嫌いだった。
「私も忙しいんで自分でやってください」
きっぱりと言い切り自分の仕事に集中する素振りを見せる。
「俺の営業でこの会社が持ってるって言ってもおかしくないんだよ。それなのにそんな態度でいいわけ?」
フロアー中に響き渡る金田の声に虫唾が走る。
なんでこんな奴にこんな風に言われないといけないのか、そんな思いに自制が利かなくなり、私はデスクの上にあった分厚いファイルを床に叩きつけて外へ出た。
予想通り私に声を掛けてきた。
「はい」
私なりの営業スマイルで返事をした。
「入札に必要な書類作ってもらえないかな」
「中島さん(営業事務の女性)の仕事だと思いますが」
「なんか彼女忙しいみたいなんだよね」
煙草をふかしながら横柄にものを言う金田から視線を中島さんへと移すと素知らぬ顔で目の前の画面から目を離すこともしない。
働き始めてすぐに気付いたこの会社の体質にイライラが募っていた。
それに内心こんないつ潰れてもおかしくない零細企業で少し出来るからと言って偉そうなこのおやじが私は大嫌いだった。
「私も忙しいんで自分でやってください」
きっぱりと言い切り自分の仕事に集中する素振りを見せる。
「俺の営業でこの会社が持ってるって言ってもおかしくないんだよ。それなのにそんな態度でいいわけ?」
フロアー中に響き渡る金田の声に虫唾が走る。
なんでこんな奴にこんな風に言われないといけないのか、そんな思いに自制が利かなくなり、私はデスクの上にあった分厚いファイルを床に叩きつけて外へ出た。
