翌日

♪ぷるるる♪

電話? ベットに潜ったまま手を伸ばし受話器を取る。

「おはようございます! 瀬名さーん、起きてください! 観光行きますよ」

朝から元気な智ちゃんに引きずられるようにフィッシャーマンズワーフへと向かう。

綺麗な湾に面したフードコートで、ブランチとしてクラムチャウダーとシーフードサラダを食べた。

有名な路面電車に乗ってダウンダウンへと戻り、1日中くたくたになるまで街を堪能した。

2都市目:ラスベガス

街全体がテーマパークだった。各ホテルの前ではさまざまなショーが1時間ごとに行われ、ジェットコースターなんかもある。

グランドキャニオンへのヘリツアーに出かけるという二人に誘われたけど、高所恐怖症の私には我慢大会以外の何物でもないと丁寧に辞退した。

ホテルのロビーにも並ぶスロットマシーン。
カジノは24時間賑わっていた。

25Cから楽しめるというので少し挑戦してみると、1ドルが35ドルになった。

治安の良さに安心して夜も智ちゃんと潤、3人で飲みに出かけた。

「もう明日の昼には帰るんですよー。なんかほんとあっという間でした」

「そうだよねー。でも俺は満足かな、さすがに日本に帰りたくなってきたかも。瀬名さんは?」

「瀬名さんは彼が待ってるから帰りたいに決まってるでしょ!」

実はこの間から付き合うことになった!という二人のやりとりを眺めながら、久しぶりの煙草を吸う。

「二人のおかげで楽しめたよ、ありがとうね。愛想の悪い私の相手してくれて感謝してます」

「ほんと瀬名さん最初すっごい怖かったもん!」

「やっぱり?」

「俺も優しく手を貸したのになんか軽く無視されたし」そういいながら笑う潤くん。

「ごめんね……。人見知りってことで!」

そんな風にして最後の夜が更けていった。