「一人での参加ですか?」

「えっ?」

「俺は一人なんです。やっぱりこういうのって女の子のほうが多いですよね。男子は3人しかいないし。大学生ですよね?俺3年なんですけど、何年生ですか?」

「4年です…」

悪い癖。初対面の人を前にするとこうして上手く話せず、冷たい態度になってしまう。
女の子ならまだしも男子だし…。ごめんね!そう思いながら外を眺めた。

日本では考えられない片側6車線の広いハイウェーを1時間ほど走り、バスは滞在先の住宅街に到着した。

集会場のような場所で、各自ステイ先の家族を紹介される。

「セナ イワホリ」

そう呼ばれて部屋の中央へと向かった。

お父さん、お母さん、中学生の男の子と小学生の女の子。仲の良さそうな4人家族。
スミス一家が私のホームステイする家に決まった。

「はじめまして。セナです」
家族みんなと握手をし、家へと向かった。

真っ白な外壁。二階建の家の正面には電動の扉があるガレージ。そしてそのアプローチにはバスケットのリング。

典型的なアメリカの家。

私のために用意されていた部屋は、8畳程もある広い空間にアメリカンサイズのベットと大きなクローゼットがあった。

「荷物を置いたら下降りて来て」

荷物を部屋まで運んでくれたお父さん、ニックが笑顔で部屋を後にする。

開けっ放しになったドアからこっそり巻き毛のかわいい女の子、ミカが覗いている。
目が合うと逃げて行ってしまった。