愛を餌に罪は育つ

**********



朝陽と一緒に死ぬ約束をした。


その日まで刻一刻と近付いている。



「秋、明日の夜ドライブに連れていってくれない?」

『急にどうしたんだ?』

「急にデートっぽい事がしたくなったの。駄目?」

『いいよ、明日が楽しみだ』



秋にピタッと擦り寄ると優しい手付きで頭を撫でてくれた。


この大好きな手をずっと感じていたい。



『美咲』

「んー?」

『あれから本当に何も変わった事はないんだな?』

「心配性なんだから。本当に何もないよ。また朝陽が接触してきたら一番に秋に助けを求めるから」



秋の顔を見上げ笑って見せると、ゆっくりと顔が近付いてきた。


触れ合うおでこから熱が徐々に広がっていく。



『絶対に守るよ』

「うん」



こんなに心配してくれる秋に、何も話していない事に後ろめたさを感じた。


私も貴方を守りたい。


もうすぐで終わるから――。


こんな私の傍に居てくれて本当にありがとう。


それから、ごめんね――。