愛を餌に罪は育つ

なんか緊張する。


今更緊張するなんて、なんか恥ずかしい。


この緊張が伝わってなきゃいいけど。


まぁ秋の事だから気付いてるだろうな。



『いつも通りでいい』

「え――?」

『定時は過ぎているから電話も鳴らないだろうし、誰も来ないだろう』



その言葉に一気に緊張がほどけていった。


体はヘナッとなり、ソファーの背もたれに背中を預けた。



「なんだか変な感じ」

『そうだな。でもたまにはこういうのも面白いだろう?』

「そうだね」



私はフフッと笑ってコーヒーを飲んだ。


嬉しくて少しだけ刺激的な時間。



「営業の加藤さん彼女ができたんだって。凄く幸せそうだった」

『それを聞いて少し安心した』

「安心?」

『美咲をどこぞやの馬の骨に奪われる確率が減ったからな』



そんな心配してたの!?


いつも余裕な秋からは信じられない発言。


ちょっと驚き。