愛を餌に罪は育つ

美咲へ

近い内に連絡するね。愛してるよ。

朝陽



カードには手書きでそう書かれていた。


カードを封筒に入れ、また段ボールの中へ戻した。


自分の今の立場を全く理解していない。


証拠になりうる物は少しでも少ない事にこしたことはないのに、どうしてこういう事をするのか私には理解し難かった。


私はプリペイド携帯と使用するのに必要なものを鞄の中にしまい、空の段ボールを持って共用スペースにある給湯室へ向かった。


給湯室に着くと段ボールに貼られている伝票を剥がし、カードと共に丸めてゴミ箱の中に放り投げた。


そして段ボールを専用の場所に立て掛け給湯室を後にした。


ここで捨てれば証拠は残らないはず。


それに誰一人として想像していないだろう。


私が朝陽と実は繋がっているなんて。


今回の事を決めたのは翔太君といる時に朝陽に会った時。


人が通り掛かって騒ぎになったのは本当だけど、その前に少しだけ朝陽と話をする時間があった。


私の提案に朝陽は不気味な笑みを見せ了承した。