愛を餌に罪は育つ

たまにこうして梓と取る休憩時間が好き。


私は直接ではないにしろ、たくさん梓を傷付けた。


心も体も。


何か償いがしたい。



「早く見付かるといいね」

「警察が力を入れて探してくれてるから直ぐに見付かるよ」

「美咲は怖くないの?またいつ目の前に現れるか分かんないんだよ?」



梓は伏し目がちにそう呟いた。



「朝陽をあそこまで追い詰めたのはたぶん私。だから自分が襲われるのは自業自得なのかなって思う時がある。だけど自分のせいでまた大切な人が危ない目に遭うのは嫌だし考えただけで凄く怖い」

「自業自得なんかじゃないよ。美咲に何かあったら私は嫌だし、みんな悲しむよ」



こんな私でもみんな大切に思ってくれてるのかなと思うと嬉しかった。



「早く終わるといいね」

「何もかも終わったらみんなでバァーッと騒ごうよっ」

「そうだねっ」



まだ見えない終わり。


それを自覚するだけで不安は一回りも二回りも大きくなって私たちにのし掛かる。