笠原さんと山田さんは私の前の少し離れたところにある椅子に腰掛け、梓は私の隣に腰を落とした。
『こんな時に聞くのもどうかと思いますが、何があったのか聞かせてもらえんですかね』
「はい、お仕事ですもんね」
悲しい事に、こういう状況に慣れつつあった。
ちょっとやそっとの事で取り乱さなくなった自分が可哀想に思う事もある。
『お店を出て歩いていたら突然野坂さんが現れたと?』
「はい」
『宮沢さんが倒れる瞬間は見とらんのですな?』
「はい、呻き声が聞こえて振り返った時にはもう倒れていましたから――」
朝陽が翔太君の頭を壁にぶつけたのか殴ったのか、はたまた倒れた時に頭をぶつけたのかは私には分からない。
とにかく翔太君の命が助かって良かった。
私のせいで周りの人たちが危ない目に遭っている。
最初の犠牲者は覚えていない前に勤めていた会社の男性社員。
そしてその次は家族。
命は助かってるけど、加藤さん、梓、翔太君も私のせいで危険な目に遭っている。
次は――あ、き――――。
違うと思いたいのに、そう考えるだけで泣き叫んでしまいそうだった。
『こんな時に聞くのもどうかと思いますが、何があったのか聞かせてもらえんですかね』
「はい、お仕事ですもんね」
悲しい事に、こういう状況に慣れつつあった。
ちょっとやそっとの事で取り乱さなくなった自分が可哀想に思う事もある。
『お店を出て歩いていたら突然野坂さんが現れたと?』
「はい」
『宮沢さんが倒れる瞬間は見とらんのですな?』
「はい、呻き声が聞こえて振り返った時にはもう倒れていましたから――」
朝陽が翔太君の頭を壁にぶつけたのか殴ったのか、はたまた倒れた時に頭をぶつけたのかは私には分からない。
とにかく翔太君の命が助かって良かった。
私のせいで周りの人たちが危ない目に遭っている。
最初の犠牲者は覚えていない前に勤めていた会社の男性社員。
そしてその次は家族。
命は助かってるけど、加藤さん、梓、翔太君も私のせいで危険な目に遭っている。
次は――あ、き――――。
違うと思いたいのに、そう考えるだけで泣き叫んでしまいそうだった。


