愛を餌に罪は育つ

私はどうしようもないくらい嫌な人間かもしれない。


記憶が蘇る程に黒く最低な自分も顔をみせ始めている。



「本当に悪いと思うなら、その罪悪感を抱えたまま梓を幸せにしてあげてよ。翔太君は当事者じゃないから、無理にとは言わないけど」



最低だ。


翔太君に考える余地を与える様な言い方をしているくせに、逃げられない雰囲気を作っている。



『――美咲ちゃんのいう通りかもしれない。俺は当事者じゃなくても共犯だからね。こんな俺でも梓ちゃんに幸せをあげられるなら、俺は彼女の傍にいるよ』

「翔太君の気持ちはどうなの?」

『口にする事が許されるなら俺は何度でも梓ちゃんに伝えるよ――大好きだよってね』



こんなに梓の事を愛しているのに純粋な愛だけで彼女の傍にいられないなんて――ある意味翔太君にとっては拷問かもしれない。


そうなるよう仕向けた私は酷く醜い女かもしれない。


時折誰かが私の中で囁いてるの。


“やっと夢が現実になる”って――。


私の心の奥底に眠っていた思いなんだろうか。


だとしたら、私はいったい何を夢見ていたの――?