定時になり、帰り支度を始める。
いつもと違う事と言えば、携帯の電源を切りハンカチで包み、鞄の奥底に入れている事だろうか。
万が一の時の事を考えて、朝陽の連絡先はまだ登録してある。
だけど、今日は自分から誘っておいて連絡はしていない。
連絡なんてしなくても、朝陽は絶対に会社の前で待っているはずだから。
だから秋が会社を出る前に私は会社を出なきゃいけない。
秋は久しぶりに実家に行くというのに、そんな時に余計な心配をかけたくない。
副社長室をノックすると、中から秋の柔らかい声がした。
「失礼致します」
『帰るのか?』
「はい、今日は定時で失礼致します」
『分かった、お疲れ様』
「はい、お先に失礼致します」
今日も家に帰れば何事もなかったかの様に秋が抱きしめてくれる。
甘いキスをくれる。
私は笑って会釈をして副社長室を後にした。
正直足取りは重いけれど、恐怖や不安はなかった。
今からまた朝陽に会うかと思うと憂鬱ではある。
それでもこのままズルズルと関係が続き、朝陽から逃げ続けなければいけないのなら、覚悟を決めて今日会ってしまった方が今後の事を思うと大分マシだろう。
いつもと違う事と言えば、携帯の電源を切りハンカチで包み、鞄の奥底に入れている事だろうか。
万が一の時の事を考えて、朝陽の連絡先はまだ登録してある。
だけど、今日は自分から誘っておいて連絡はしていない。
連絡なんてしなくても、朝陽は絶対に会社の前で待っているはずだから。
だから秋が会社を出る前に私は会社を出なきゃいけない。
秋は久しぶりに実家に行くというのに、そんな時に余計な心配をかけたくない。
副社長室をノックすると、中から秋の柔らかい声がした。
「失礼致します」
『帰るのか?』
「はい、今日は定時で失礼致します」
『分かった、お疲れ様』
「はい、お先に失礼致します」
今日も家に帰れば何事もなかったかの様に秋が抱きしめてくれる。
甘いキスをくれる。
私は笑って会釈をして副社長室を後にした。
正直足取りは重いけれど、恐怖や不安はなかった。
今からまた朝陽に会うかと思うと憂鬱ではある。
それでもこのままズルズルと関係が続き、朝陽から逃げ続けなければいけないのなら、覚悟を決めて今日会ってしまった方が今後の事を思うと大分マシだろう。


