会議室のナイショの関係

「もしもし」

『俺。ごめん、遅くなって』

「ううん」

『今、何処にいる?』

「香澄と一緒に会社近くのコーヒーショップに居るよ」

『今、19時30分か……』


そう呟いて、まーくんは少し考える。


『じゃぁ、悪いけど、会社の裏側のコンビにまで来て。で、着いたら教えて』


会社の近くには、いくつかコンビニがある。

その中で、裏側のコンビニは、会社から一番遠い。

まだ残業をしている人もいるから、バレないように裏側のコンビニを選んだのだろう。


「うん。わかった」


私は電話を切り、そして、香澄と別れ、会社の裏側のコンビニへ向かう。

そして、コンビニの前に着き、まーくんに連絡をする。


『ちょっと待ってて』


そう言われ、私はコンビニの中に入る。

雑誌コーナーで立ち読みをしていると、スマホが鳴る。


『コンビニの近くに止まっているタクシーわかる?』


外に出た私は、きょろきょろと左右を見る。

少し離れた所に一台のタクシーを見つけると、私は側まで行く。

私がタクシーに近付くと、タクシーのドアが開き、私は後部座席に座っているまーくんの隣に座る。


「お願いします」


まーくんはタクシーの運転手さんに声を掛ける。

そして、バタンとドアが閉まり、タクシーが走り出す。


「紗和、ごめんな。遅くなって」

「ううん、大丈夫だよ。今日、まーくんと一緒に居られるだけで嬉しいから」


そう言うと、まーくんは嬉しそうに微笑んだ。