会議室のナイショの関係

「そんなの当たり前。仕事だったら仕方ないけど……。いや、本当は仕事でも嫌だけど。俺がかまってやれないし、紗和には寂しい思いさせているのはわかっているんだけど。でも、とにかく、俺以外の男と二人きりで会うなんて、許さないから」


まーくんに真剣な表情で見つめられ、そんな事を言われ、私の心臓はドキドキと早くなる。


「……私は、まーくんとじゃなきゃ嫌だよ」


こんな事を言って、まーくんを困らせたくない。

負担にもなりたくないけど。

私は本音を少し言ってみる。

“今日を一緒に過ごすのは、まーくんじゃなきゃ嫌だ”

って気持ちを込めて。

本当は、今日、一緒に過ごしたいけど。

そんな事は言えないし。


今の言葉だけなら、もしまーくんが気にしてしまっても“他の男の人と二人きりでご飯を食べに行く気が無い”とか、“まーくんが好き”とか。

そういう意味って事にしておけば、まーくんがそんなに気にする事がないだろう、と思ったから。

それに、それも本当の気持ちなのだから、嘘を吐いているわけではない。