会議室のナイショの関係

「それで、お願いなのですが……」


まーくんは本題に入る。


「紗和さんと一緒に暮らしたいと思っています。ですので、一緒に住む事を許して頂けないでしょうか。お願いします」


そう言うと、まーくんは椅子に座ったまま、頭を下げる。


「まぁ、同棲?」


お母さんは驚いている。


そうだよね。

何か大きな決断や相談事がある時、そして、何かやりたい事がある時は、いつも先にお母さんに話す。

お母さんがOKしてくれたら、その後、お父さんに話す。

というのが、いつもの流れだけど、今回の話は私も昨日聞いて、決めたばかり。

だから、いつもみたいに前もってお母さんに話せていなかった。


昨日、まーくんから同棲の話を聞いた時。

まーくんとあまり会えないでいた私は、“まーくんと少しでも長く一緒に居られる”そう思い、まーくんの提案が嬉しかった。

私の両親は厳しい方じゃない。

まーくんの事も知っているし、気に入っている。

だから、いきなり同棲の話をして驚かれる事はあっても、すんなりOKを貰えるだろうと思っていたのだけど……


お父さんの厳しい表情。

それを見て、同棲をOKして貰えるのか不安になる。