会議室のナイショの関係

私達は、タクシーでまーくんの住むマンションへ。

部屋に入るなり、まーくんは後ろから私を抱きしめる。


「ま、まーくん?」


急に抱きしめられ、私の心臓はすごく早くなり、顔も熱くなるのがわかる。

私が振り返ろうとすると同時に、まーくんは私の身体をくるっと自分の方へ向ける。

そして、まーくんの顔が近付いてき、そのまま私の口を塞ぐ。


「やっと紗和に触れられる」


そう耳元で呟き、まーくんは私をぎゅっと抱きしめる。


「まーくん?」


私はまーくんの腕の中から顔を上げる。


「なぁ、紗和」

「ん?」

「いつ引っ越してくるんだよ」


まーくんは私を抱きしめたまま、おでこをくっつける。


「いつって……」


私はまーくんの休みが取れた時って思っていたけど。


「早く来いよ。俺、もう限界……」

「えっ?」


まーくんは切なげな表情で私を見つめる。


「そりゃぁさ、仕事が忙しい事は良い事だけど。忙しいと紗和に会えないし、紗和に触れられない。でも、俺は会いたいし一緒に居たい。それに、こんな風に紗和に触れていたい」


まーくんは抱きしめている腕の力を緩め、右手でそっと私の頬に触れる。


「だから、早く紗和と一緒に住みたい」


まーくんはそう言うと、また私の唇にそっと触れる。


「紗和、返事は?」


まーくんは少しかがみ、私の目線と同じ高さで見つめる。