会議室のナイショの関係

「なぁ、紗和。今日、家に来る?」


最近、まーくんは特に忙しく、あまり一緒に居られなかった。

だから、今日、一緒に過ごせ、まーくんに誕生日を祝って貰えて嬉しい。

それだけで十分。

だって、まーくんをゆっくり休ませてあげたいもん。

そう思うのだけど……


だけど、欲張りな私は

“もう少しまーくんと一緒に居たい”

そう思ってしまっているんだ。


「じゃぁ、少しだけ……」

「えっ?今日は泊まらないのか?」

「でも、まーくん疲れてるでしょ?それに、何も用意して来てないし……」


“一緒に居たい”そう思っているけど、“まーくんにゆっくり休んで欲しい”これも本音。

だけど、“ワガママを言ってまーくんを困らせたくない”“嫌われたくない”これが、一番の本音。


「疲れてるけど……」


まーくんはテーブルの上に置いていた私の手をそっと包み込み


「俺は紗和が居てくれる方が癒されるし、疲れが取れるよ」


私をまっすぐ見つめる。


「俺はもっと紗和と一緒に居たい」

「私もまーくんと一緒に居たいけど……」


私が一緒に居て、まーくんは本当に休まるのだろうか……


そう考えていると


「ならいいだろ?」


まーくんは私の顔を覗き込む。


「……うん」


一緒に居たい気持ちが勝ち、私は頷いた。