会議室のナイショの関係

「失礼致します」


その時、ウエイターさんが食前酒のスパークリングワインを持って来る。


「紗和、誕生日おめでとう」

「ありがとう」


私達はグラスを持ち、乾杯をする。


「あっ、美味しい」


食前酒に持って来られたスパークリングワインは、すっきりとした口当たりで飲みやすい。

私は自然と笑顔になる。


「明日も仕事なんだから、あまり飲み過ぎるなよ」


そんな私を見て、まーくんも笑顔になる。

その後、ウエイターさんが、注文していたワインや前菜を運んで来る。


「食べようか」

「うん」


フランス料理のフルコース。

運ばれてくる料理はどれも美味しくて、さっき感じた不安を忘れさせてくれるくらい、自然と笑顔になる。

そして、最後のデザートを食べていると


「何?」


まーくんの視線を感じ、顔を上げる。


「本当に美味しそうな顔をして食べるなって思って」


コーヒーを飲みながら、まーくんは優しく微笑んでいる。


「だって、どれもすごく美味しかったんだもん」


このお店に来た時は、まーくんを遠くに感じ不安になっていたけど、美味しい物を食べ、単純な私は笑顔になっていた。


「紗和が喜んでくれてよかったよ」


そんな私を見て、まーくんも嬉しそうな表情になる。