会議室のナイショの関係

「紗和?」

「えっ?」

「どうした?ボーっとして」


まーくんは私の顔を覗き込む。


「えっ?あっ、ううん……」


黙る私をまーくんは優しく見つめる。


「いや、何かオーナーと知り合いって、すごいなって。やっぱりまーくんって社長なんだな、って思って……」


ははっと笑いながら答える。


「なんだそれ。大学の友達がここのオーナーの娘なんだ。それで、オーナーとも会った事があるんだ」


フッと笑った後、まーくんは真剣な表情になる。


「っていうか、俺は社長だけど、紗和と居る時はそんな役職、関係なくない?」

「うん……」


何となく、私はまーくんから視線を逸らす。


「なぁ、紗和」

「何?」


だけど、私は顔を上げ、不安を悟られないように笑顔を作る。


「何か無理してない?」

「そんな事ないよ?っていうか、ここ雑誌で見て“行ってみたい”と思っていたお店だから、すごく楽しみ!」


私はさっき以上に、にこっと笑う。


「なら、いいんだけどさ……」


そう言いながらも、まーくんは腑に落ちない表情をしている。