会議室のナイショの関係

「ねぇ、まーくん。お店、予約してくれていたの?」


このお店は、予約だけでいっぱいになる。

だから、予約しないと入れない。

まぁ、キャンセルがあった時、運が良ければ入れたりもするみたいだけど。

だけど、まーくんと一緒にご飯を食べに行く事は、今日決まったのに。

とにかく、ここはそんな急に予約なんて出来ないお店だ。


「あぁ、この店のオーナーと知り合いなんだ」


えっ?

オーナーと知り合い?


「来られるかわからなかったけど、一応、予約しておいたんだ」


驚いている私を気にせず、まーくんはにこっと笑う。


会社で見かける時は、社長のオーラを放っているけど、二人きりで居る時は、社長って感じはなく、昔から知っているまーくんで。

だから、特に意識していなかったけど。

でも、普段のまーくんからは感じさせなかったけど、“オーナーと知り合い”なんて聞くと、付き合う前に少し感じていたように、遠い存在の人に思えてくる。

まーくんって私とは別世界の人なんだって……


私なんかが彼女でいいのかな?


今まで特に意識していなかったけど、自分があまりにも釣り合わないんじゃないかって、私の中に不安な気持ちが芽生える。