『あの二人、まだ
仲直りしてないみたい。』




『んー?男の喧嘩なんて
次の日になれば
元に戻ってるわよ。』



『いつも一緒に
帰ってるのに結城が
先に帰っちゃったんだよ?

なんかただ事じゃ
ない感じだったもん。』




『大丈夫よ。

あいつらにだって
色々あんのよ。』



沙奈はまるで
二人の喧嘩の原因を
知っているみたいだった。



『色々って?

沙奈、知ってるの?』



『ん。知ってる。』



『えっ!教え……』



『それは、桜が自分で
考えなきゃね。』




そう言いながら沙奈は
私の頭をポンポンと叩いた。