『でも、時間が時間だし、』



彼女はまた口を閉ざし
首を横にふった。

そしてフラッと立ち上がり
俺らに頭を下げ
走り去っていった。










『ねぇ、結城…。』


『ん?』


『頬の傷、見えた?』


『あぁ、ばっちり。』


『あれ、殴られた跡?』


『さぁ?
でも泣いてたな。』


『……うん。』





しばらくその場に
立ち尽くした俺たちは、

なんとも言えない
気持ちのまま家に帰った。