しばらくの沈黙のあと。 『直人、ありがとう。』 桜が話し出した。 『えっ?』 『私、今本当に 感謝してる。』 『……………。』 夕日に染まる桜の顔は 瞬きを忘れるほど キレイだった。 『私ひとりじゃ ずっとあのままだった。』 『うん。』 『…………………。』 それからまた沈黙が続いた。