郁人の後ろ姿をぼぉーっと目で追いながら、さっきのレストランでの話を整理しようとした。 ――が、一向に頭が働かない。 思い返すだけで、ひどい嫌悪感と虚脱感とが交互に押し寄せ、胸が押し潰されそうになった。 頬を伝う涙を拭うこともせず、改札を見つめたまま、ただ呆然と立ち尽くした。 涙なのか、雨の雫なのか、区別できない程に全身びしょ濡れだった。 ――と、