「もちろん、実家に行ったのは覚えてるよ」
頷いた郁人は、承知したように言葉を継いだ。
「親父の仕事も分かってるよな?」
「うん、知ってるよ。
でも、それが何か……?」
隼人たちのお父さんは、若い時分に自ら建築設計事務所を立ち上げていた。
従業員は30人程度と聞いている。
建築設計事務所においては、それが多いのか少ないのかは私にはよく分からない。
でも、仕事は順調だと聞いていた。
「奈緒はさぁ、親父たちの『辰巳会』の話、兄貴から聞いてるか?」
「うん、少しだけ」
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