彼と彼女と彼の事情



「なんか、このままだとここから離れにくいんですけど」


「じゃあ、いろよ!もう少しここに。退院延ばしてもらってもいいぞ!」


「それはやっぱり……。
改めて、今まで本当にありがとうございました!皆さんのお蔭で、マジで楽しい入院生活でした。本当に感謝しています」


「こっちこそ、ありがとうな!郁のおかげで毎日楽しかったよ。
奈緒ちゃん、郁のこと、よろしく頼むよ!」


ムラさんの言葉に、コクンと頷いた。


「じゃあ、この辺で失礼します」


深々と頭を下げ、名残惜しい病室をあとにした。