彼と彼女と彼の事情

「毎週じゃなくてもいいんだ。月に１回や２回でも。もちろん奈緒に『彼氏を作るな』とも言わない。お互い割り切った関係で、会いたいときに会うってのは、どうかな？」


―――…！！！


途端、私の中で、何かが弾けた。　


「私はそんなこと望んでない！」


気が付けば、自分でも驚くほど大声を張り上げ、拳を握り締めていた。　


「奈緒……」


「だって……だってあんまりだよ。それじゃ愛人になれって言ってるようなもんじゃない！ひどいよ、そんなの……ひどい」


感情が高ぶって、思うように話せない。


唇を噛みしめ、声を震わせながら隼人に思いをぶつけた。