「俺なりに考えると……
この人権を擁護しなくてはいけない“人”の中で、権力や財力を持ってる人は、自分で自分を守ればいいんだよ」


「うん、そうかもね」


「でも、そうじゃない人たち――つまり、社会的弱者や経済的弱者の人権を守って、その味方になるのが俺の仕事だと思ってる」



「うん。そうだよね。隼人は、いつも頑張ってたもんね」


「はぁ〜。でもさ、そんな弱者から守るのが俺の仕事だ、って格好つけときながら俺が一番守りたい人のことは自分で守ることもできなくて……おまけに悲しませてるなんて、な。バカみたいだよな、俺」


「隼人……」


「この世で、一番大事な奈緒すら守ることのできない俺なんて、サイテーだよ!」