「隼人……」


背中に隼人の体温と温もりを感じた。


何とも言えぬ想いが込み上げ、胸にギュッと痛みを感じた。


「奈緒が必死で俺を忘れようとしてるの、知ってたよ。当たり前だよな、あんな別れ方したんだから……。でも、俺の中から奈緒が消えることは一度もなかったよ。一度も……」


胸が……胸が張り裂けそうに苦しい。


隼人が……隼人がそんな風に思っていたなんて――。


「許してくれ……」 


と、背中に回した手に力が入り、私の耳のすぐ後ろで隼人の吐息が漏れた。