こんな非情な、今生の別れがあるなんて……。
今、ここで、再認識した。
受け容れがたい事実だけれど、現に、私たちの目の前で起こっていること。
私たちの前に立ちはだかる、ものすごく大きな壁。
この壁を越えるのは、とても容易いことではなさそうだ。
ただのOLの私に何ができようか。できるはずもない。
「奈緒さえよければ、またこうして会ってもらえないか?
奈緒と話してると、やっぱり落ち着くんだよ」
「……えっ?」
静寂な中、突然、発せられたその言葉に耳を疑った。
もちろん、嬉しいことではあるけれど……。
それって……。


