「‥見てらんねぇよ」


そう言って、彼はあたしを
抱きしめた


普段のあたしだったら
突き飛ばしてるのに、
‥なぜだか、嫌じゃなかった


彼の胸の中は安心できた


そして彼は続けた


「‥ずっとお前だけを見てきた。

話したこともねぇし、
目すら合わせたこともねぇけど
お前だけを見てきたつもりだ

だから、ほっとけねぇよ‥
お前のあの寂しそうな顔
見てらんねぇよ‥‥」



そう言って‥