3億円のキケンな恋




山道を結構歩いた。





だけど、こっちが帰路に繋がってるという保証も確信もない。


1人で知らない山道を歩いて無事に帰れるのかな。



「……………」



小屋に1人残った強盗さん。

これから、どうするんだろ。


あんなお風呂もトイレもないような所、私だったらこれ以上は絶対無理!


しかも1人でだよね。


罪だけ被ってあんな寂しい所に誰も信頼できる人もいなくて1人でいるなんて…。



…今頃、何してるかな。


ちょっと、様子を見てこようかな。


私は今来た道をクルリと方向転換した。



その時、


ポツ ポツ と、雨が木の葉を縫って降ってきた。



「ウソ!?
こんな屋根も傘もない所で?」



朝はあんなに晴れていたのに、今じゃあ雨雲が空一面を覆ってる。


このままじゃあ、もっとヒドい雨が降っちゃうよ!