銀行には、窓口用の入り口とATM用の入り口がある。

別にどっちから入ってもどっちにも行けるんだけど、特に考えもなしに私は先に目の前にあった方の入り口から入った。



車椅子用のスロープの横の小さな階段を上がり、開いた自動ドアを通る。

こっちはATM用のドアだった。


4台あるATMに、更に2~3人が並んでいたので、私もその後ろに並んだ。



たいして時間もかからず私の順番が回り、早速記帳作業を行った。


画面に従って操作をすると、残高の欄に20万1千円の文字が。



お母さん、20万円も振り込んでくれたんだ!


しばらくその事実に浸っていると、後ろに並ぶおじさんに咳払いされハッとした。


いけないいけない。
早くしなきゃ。


すぐに記帳を済ませると、ペコッと頭を下げながらATMから離れた。


すると、その時にはさっきのおじさんはとっくに他のATMについていて、私は違う人におじぎをしてしまっていた…。