3億円のキケンな恋

「強盗さん…」



私が強盗犯の顔を見ると、強盗犯はギロッと私の顔を見返した。



「まだ何かあるのかよ!
もう手は放してんだから自分で飲めるだろ!」



「あ、えっと…はい」



急いで起き上がって、目の前に置かれたペットボトルに手を伸ばしてキャップを開けた。


チラッとこれも賞味期限を確認したけど、まだ1年近くあるから新しい。


口につけて一口飲んでみたが、冷えてるって事はなく常温だった。


小屋の中のビニール袋から出したんだ、そんなもんだろうな。


もう一口だけ飲むと、キャップをして床に置いた。



「いるって言った割には、もういらねぇのかよ」



「あ、いや、その…
あんまり飲むと…またトイレ行きたくなるから…」



あの時みたいにしたくなったら、また強盗犯の前でしなきゃいけない事になっちゃう。


あの時は薄暗かったからまだいいけど、陽が登って明るくなった時だったら思いっきり見られちゃうよ。