3億円のキケンな恋

汚い山小屋に置いてある毛布なんて…と思ったけど、間近で見てもそんなに汚い感じがしない。


だからって新品て事もないけど、こんな山小屋にずっと置いてある割には状態がとても良かった。



…あんパンの賞味期限が新しい事といい、小屋は汚いのに中の物はやけに管理されてるみたい。



「強盗さん…」



座ったまま腕を組んで壁に背をもたれラジオを聴いている。


だけど、注目するようなニュースをやってるわけでもないから、私の声は耳に届いてると思うんだけど…?




反応がない強盗犯にまた無視かなぁと次の言葉を控えたら、壁につけていた背中を離して立ち上がると、また箱の中からビニール袋の擦れる音をさせ何かを取り出した。



そしてそれを取り出すと床に転がる私の所まで来て、目の前に置きまたさっきの位置まで戻って座った。



「……………?」



視線を目の前に置いた物に移すと、それはペットボトルに入ったイオン水だった。