3億円のキケンな恋

強盗犯は私に銃口を向けたまま、立ち上がった。


んもう、いちいち拳銃なんか突きつけなくても、目の前で逃げたりしないのにっ。



強盗犯は小屋の中にある箱の中から何やらビニール袋をガサガサさせる音をたてながら何かを取り出した。


ランプの灯り1つじゃあ手元がよく見えなくて、何を持っているのかはわからない。


まさか…スタンガンみたいなものじゃないよね…?



得体のわからないものを持つ強盗犯に、今一度恐怖感が襲ってきた。


変な器具とか武器だったらどうしよう…。

私…今から何されるの…?





「ほらよ」



強盗犯は持っていた得体のわからない何かを、ポンと私に投げた。



「わっ」



丸っこい、ビニール袋のような物に入ったそれは座っている私のスカートの上に着地した。


まさか、変な薬…?

ううん、違う…。



「これ…」


スカートの上を見ると、そこに投げ込まれたのはコンビニに売っているようなパンだった。

丸い形のパンで、まん中にゴマが乗ってる…あんパンだ。