4年と半年も過ぎれば、世間からも銀行強盗犯の顔は記憶から薄れていく。



あの時と同じ服を来ている強盗さんと抱き合ってる私を見たお客さんも、まさかそんな事は全く思ってはいないだろう。




私が大きな声を出したものだから、さすがに一緒の時間にいるパートさんも驚いて様子を見に来た。



「相沢さん、一体どうしたの!?」



「あ…いえ、あの…」



「感動の再会もいいけど、やっぱ職場じゃマズいよな」



「う うん…。
あ、うちのアパートの鍵渡しとく。
そこで待っててよ。
場所わかる…よね」




「あぁ、殆どまっすぐの道だったな」




私は休憩室のロッカーからアパートのカギを取ると、レジ付近で待つ強盗さんに預けた。



いくら数年振りの再会とは言え、仕事は仕事。

終わる17時まで待ち遠しいけど、ガマンしなくちゃね。



大丈夫。

今度こそ、強盗さんは私の側に居てくれる…!