「強盗さん!強盗さん!!」



あの頃と違い、茶髪だった髪も伸びて今は黒くなっている。


顔付きはちょっと痩せた感じだけど、あの雰囲気は変わらない。



「おいおい、俺はもう強盗じゃねぇよ」



「違うもん!強盗さんはいつまでたっても私の強盗さんだもん!」



ポロポロと次々こぼれ落ちる涙がどんどん私の頬を濡らしていく。



まさか今日ここに強盗さん現れるとは夢にも思わなかった。



あの日、私の前から姿を消してそれっきりになっていた強盗さん。



長い長い年月、私はどれだけ1人で寂しい思いをしてきたかわかってる?


これからずっと、危険な事だとわかっていても一緒に居られるって思ってた矢先の事だったのよ。



「…そうだったな」



強盗さんも、まわりの目線を気にしないで抱き付いた私をそっと抱き返してくれた。