その後、私はすぐに警察に行った。



この事件の人質だった事を話せば、強盗さんに会わせてくれたり、話をさせてくれるかもしれないと思ったのだ。



だけど、実際はすぐに事情聴取を受けたり、病院に連れて行かれて精密検査を受けさせられたりしただけだった。



無理もない。

数日間、ずっと監禁生活を送らされていたわけなのだから。




事件は強盗さんが私の事以外を正直に話した為に、南の身柄もすぐに捕らえられお金も無事に戻った。



私の事は、解放されて勝手に自分の家に帰ってきた事になっていた。



職場には私の立場の事も考慮され、事件との関係は内緒にしてくれた。



ただ店長さんの車の中には、やっぱり強盗さんのケータイは落ちていたみたいで、これには店長さんも相当驚いたみたい。








こうして、日にちで言えば長いようで短かった事件だけど、お金は全額返ってきたわけだし、負傷者も居らず(強いて言うなら私?)無事に解決する事が出来た。







いっとき騒がれていた銀行付近も、日にちと共に平穏になっていった…。



私はと言うと、それからも本屋さんでのお仕事をしながら、平凡な毎日を送っている。