3億円のキケンな恋

しばらく時が止まってしまったかのように、私はまた頭が真っ白になっていた。


どうして警察にバレちゃったんだろう。


隣の住人さんに見られちゃってたのかな。


やっぱり犯罪者をかくまうなんて事、無理だったんだ。



…あれ?

でも警察に強盗さんがここにいる事がバレちゃったんなら、人質だった私の事には何も気付かなかったのかな。


まさか人質だった人の家に犯人がいるなんて警察は思わなかったのかしら。




なんて思っていると、つけたテレビから番組を差し替える形でこの事件についてのニュースが速報として始まった。



すると、またしても私を驚愕させる事実をニュースキャスターは言った。



「…そんな…強盗さん、どうして……」



へなへなと、力が抜けたように私はその場に座り込み、ペタンとお尻を床に付けた。



強盗さんは警察に捕まったんじゃなかった。


だからここにパトカーや警察が来たわけでもない。


なぜなら…強盗さんは自ら自首をしに警察まで行ったのだから…!