3億円のキケンな恋

カギを抜き取りノブを回してドアを引こうとしたが、開かなかった。



「え?
今確かにカギが開く音がしたのに…」



おかしいなと思いながらも、私はもう一度カギを差して回した。


カチャっと確かに音がした。



今度こそノブを回して引くと、ドアは開いた。



中に入り、すぐにドアを閉めてカギをかける。



ローファーを脱ぐと、すぐにリビングダイニングの方へ走った。



「強盗さんっ」



テレビも照明もついておらず静か。

まるで本当の留守。



そりゃ内緒でかくまっているのだから、誰か居るみたいな気配があっても困るんだけどね…。


寝てるのかもしれないと思った私は、ベッドの方にも行って見た。


それからトイレ、バスルームも見た。




だけど…強盗さんの姿はどこにも見当たらなかった。