3億円のキケンな恋

「………………」




パタンと、後ろ手に出入り口のドアを閉めた。




店長さんの車だったんだ。


どうしよう…。


どうしよう?
何を考えてるの、私。


今、どう、しようと思ってた?



顔が世間に割れちゃって益々捕まる危険が高まっちゃった強盗さん。


事件に関与してるとも思ってもいない店長さん。


車の中のケータイが見つかってしまったら、どんどん強盗さんの身元が割れて捕まっちゃう可能性が高くなるばかりだわ。


…もし、あのケータイをこっそり取り戻せるなら…。


それで、少しでも強盗さんを助ける事になるなら…!


私は、とんでもない事を考えているのかもしれない。


強盗犯の作ったスペアキーを使って他人の車に侵入し、強盗犯の物的証拠となる私物を取り戻そうとしている。



これでもう、私も立派な犯罪者になる…!