3億円のキケンな恋

「……………」



何だか…スゴく気になった。


もしかしたらあのワゴン車が店長さんの車なのかも。


もちろんここの駐車場にある車なんだから、ここの従業員の誰かの所有物には間違いない。


今出勤してきている人と言ったら、私と店長さんとパートさんの3人。

この後も別のパートさんが遅れて入るみたいだけど、まだ来ていないのに車だけ早く駐車するかなぁ。



私は食べかけのホットケーキを包みに戻すと、従業員用出入り口のドアをそっと開けて駐車場の方を見た。




白のワゴン車の前に立ち止まった店長さんが、持っていた車のカギを運転席側のドアに差し込んだ。


ピカッとライトが一度瞬くと、店長さんはドアを開けてそのワゴン車に乗り込んだ。


やがてエンジンがかかると、車は駐車場を出て道路を走って行った。



…やっぱり、あれは店長さんの車だったんだ!


強盗さんのケータイ、まだあの車に落ちてる…?